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血液検査部門では受診者の方から採血した血液を分析し、結果を報告しています。

検査の各項目には、測定に際して目的があります。
以下に簡単に説明します。

　

AST：アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ（GOT）・ALT：アラニンアミノトランスフェラーゼ（GPT）
	AST：多くの臓器に含まれる酵素（体内の化学反応に作用するたんぱく質）ですが、特に心臓、肝臓、筋肉、腎臓に多く含まれており、肝障害、心筋梗塞、骨格筋の病気などで高値を示します。激しい運動の後は異常値を示すことがあります。 ALT：ASTとほぼ同じ酵素です。特に肝臓に多く含まれ、ALTとASTの比をとって診断に役立てます。

γ-GTP：ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ
	肝臓・腎臓・膵臓に多く含まれる酵素です。アルコールの多量摂取や種々の肝臓病で高くなります。アルコール性肝障害は禁酒１ヶ月でかなり改善されます。

　

T-CHO：総コレステロール
	コレステロールは細胞をつくる成分で、ホルモンやビタミンの原料として大切な脂肪の一種です。しかし、多すぎると動脈硬化を引き起こし、少なすぎると脳卒中が起こりやすくなります。日ごろから食習慣をはじめとする生活習慣に気をつけて、ほどほどに保ちましょう。

TG：中性脂肪
	中性脂肪は身体のエネルギー源ですが、多くなると動脈硬化を進めるといわれています。また、皮下脂肪の主成分は中性脂肪です。食事をすると大きく上昇するので、検査は朝食前などの空腹時に行うのが原則です。

HDL-C:HDLコレステロール
	動脈壁についたLDLコレステロールを肝臓に運ぶ働きがあり、善玉コレステロールと呼ばれています。運動はHDL-Cを上昇させ、肥満はHDL-Cを低くする因子です。遺伝的にHDL-Cが高い家系もあります。

LDL-C：LDLコレステロール
	LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれ、冠動脈疾患の重要なリスクファクターとして知られています。総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の測定値から算出するFriedewaldの式が用いられてきましたが、最近は直接測定できるようになりました。現在、高コレステロール血症の管理基準として測定します。

　

CRE:クレアチニン
	体内で使われたたんぱく質の燃えカスで、老廃物として尿中に排泄されますが、腎臓の機能が低下すると排泄できなくなり血液中に増えてきます。

eGFR：推算糸球体ろ過量
	血中クレアチニン値と性別・年齢をもとに算出した値で、腎機能を評価します。

UA：尿酸
	尿酸は細胞の燃えカスで、プリン体からできています。身体の中で多く作られたり、尿からの排泄が少なくなると血液中の尿酸の量が増えてきます。血液中の尿酸の量が増えると、関節に沈着し痛風発作を引き起こします。高値の場合はたんぱく質の取りすぎに注意しアルコールは控えめにしましょう。痛風は、圧倒的に男性に多い病気です。

　

GL：血糖
	血液中のグルコース含量に異常の現れる疾患は糖尿病と低血糖症です。それらの疾患の状態を知る上で重要な検査です。
	異常値が出た場合に考えられる疾患

　

HbA1ｃ：グリコヘモグロビン
	HbA1cは過去１～２ヶ月間の血糖コントロール状態を表現する指標として糖尿病診療において重視されています。
	異常値が出た場合に考えられる疾患

	2013年度表記変更について(PDF:4830KB)

　

WBC：白血球数
	主に細菌・ウイルスなどの生体内への侵入防御、感染後の排除のために働きます。細菌・ウイルスに感染すると、それらの排除のために増加します。・白血球数増加の最も多い原因は感染症ですが、まれに白血病も疑われます。

Hb：ヘモグロビン　RBC：赤血球数　Ht：ヘマトクリット値
	貧血とは酸素運搬に重要な役割を担っている赤血球・ヘモグロビンが何らかの原因で不足（減少）している状態です。貧血になると酸素を体内に十分に行き渡らせることができなくなります。
	自覚症状
	顔色が悪く、易疲労感、めまい、動悸、息切れ

PLT：血小板数
	血小板が減少したり機能が低下すると出血しやすくなり（出血傾向）また機能が亢進すると血栓などを形成しやすくなります。（血栓傾向）

　

B型肝炎ウイルス検査
	ウイルス肝炎のうち、B型肝炎ウイルス（HBV）の感染によるものをB型肝炎と呼びます。B型肝炎ウイルスが体の中に入り増殖すると、一定の期間（潜伏期）をおいて「体がだるい」「食欲がない」「吐き気がする」などの症状が見られ、それに引き続いて眼球や皮膚の色が黄色くなることがあります（黄疸）。これが急性と呼ばれる状態です。また、感染を受けても症状が軽く気がつかない場合や、肝炎ウイルスが体の中から排除されずに住みついてしまうことがあります。このような状態にある人をB型肝炎ウイルスの持続感染者（キャリア）と呼びます。
	検査方法
	血液検査によりHBｓ抗原が検出された場合（陽性）、B型肝炎ウイルスに感染している可能性が高いと考えられます。

Ｃ型肝炎ウイルス検査
	肝炎の症状は、「全身倦怠感」「食欲不振」「嘔吐」「黄疸」などですが、症状が重いといわれる急性肝炎でも自覚症状があるのは２～３割、慢性肝炎の場合はほとんど自覚症状はありません。慢性肝炎とは、肝炎ウイルスにより肝臓の細胞が壊されて、慢性的に肝臓の働きが悪くなる病気です。C型肝炎は、この慢性肝炎になりやすく、治療せずにいると20～30年かけて肝硬変や肝臓がんになる可能性が高くなります。
	検査方法
	HCV抗体検査：C型肝炎ウイルスに対する抗体が血液中にあるかどうか調べる検査です。この検査で陽性になりますと、「現在C型肝炎ウイルスが体内にいる状態」もしくは「過去にC型肝炎ウイルスに感染し、すでに治癒した状態」のいずれかです。 HCV-RNA検査：HCV抗体検査が陽性の場合に行う検査です。この検査では、血液中にあるC型肝炎ウイルスの遺伝子を調べるもので、C型肝炎の確定検査になります。

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